法定相続情報証明制度

概要

不動産登記規則の改正により平成29年(2017年)5月29日より全国一斉スタート。
法務局に戸籍等を提供し、「法定相続情報一覧図」を公文書として発行してもらうことで、戸籍の代わりに利用できる制度。

戸籍を大量に扱う場合でも、一枚の図に集約できることから、活用が期待されるところ。

現状

平成29年8月1日、数次相続が複数発生している事案につき、鳥取地方法務局米子支局にて担当者に確認。

  • この制度は簡単な相続関係を想定している。
  • 数次相続が発生している場合でも、被相続人ごとの相続関係しか証明できず、被相続人ごとに申出を行う必要があり、現在の相続関係全体を一枚の図として証明できるわけではない。
  • 相続関係を証明するのみであれば戸籍だけでよいが、法定相続情報一覧図を作成するためには、「数次相続の被相続人ごと」に「最後の住所を証明する書類」を準備する必要がある。
    • 戸籍による相続関係の証明に比べ、事務負担が増える。
  • 法定相続情報一覧図は、被相続人ごとにその相続人から申出を行うこととなっているため、現在の相続人の一人が数次相続に関する全ての相続関係について法定相続情報一覧図を作成できるとは限らない。
    • 例えば、被相続人は祖父、子は死亡、現在の相続人は孫という事案の場合、長男の子から、死亡している次男の法定相続情報一覧図の申出を行うことはできない(長男の子が次男の相続人ではない場合)。
    • この場合は、次男の子など次男の相続人から申出を行うか、法定相続情報一覧図と戸籍を組み合わせて利用する方法によることとなる。

その他

法定相続情報には、法定相続情報の作成者である申出人又は代理人の記名(不動産登記規則247Ⅲ①)に加え、住所を併記する(不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う法定相続情報証明制度に関する事務の取扱いについて(通達))こととされているが、資格者代理人による申出(任意代理)の場合、法定相続情報に記載する申出人の住所「住所」は「事務所」とする必要がある。

  • これまでは「住所」という項目立てでも受理していたが、今後は「事務所」という表記で統一していくとのことで、差し替えを求められた。(R2.4.16鳥取地方法務局米子支局)