特例有限会社の登記

平成18年5月1日に有限会社法が廃止され,新たに有限会社を設立することはできなくなりました。
その時点で現存していた有限会社については,一部有限会社としての特色を残しつつも,会社法上の株式会社として存続することとなりました。
この有限会社は,「特例有限会社」と呼ばれます。


変更登記

特例有限会社は,登記された事項に変更を生じてから2週間以内に変更登記を申請しなければならず,これを懈怠すると過料(反則金のようなもの)が課される可能性があります。
一度懈怠してしまうと,放置しておいても状況が改善されることはないため,過料覚悟でできるだけ速やかに変更登記を申請するしかありません。
変更から2週間の経過はあっという間ですので,お困りの場合は司法書士に相談されることをお薦めします。

役員の変更

特例有限会社の役員には任期がありませんので,定期的な役員変更登記は発生しません。それでも,役員の氏名住所に変更が生じたり,辞任や死亡により退任する場合は,変更から2週間以内に登記申請する必要があります。
株式会社と異なり,旧・有限会社の役員に任期がなかったため,定期的に登記手続を行う習慣のない会社が多く,変更が生じていても変更登記が申請されていない特例有限会社が散見されます。
そのような場合は,できるだけ早く司法書士に相談されることをお薦めします。

その他の変更

商号,目的,本店など,会社の登記事項に変更が生じる場合は,登記手続が期限内に申請できるよう同時に準備をすべきです。
前提条件である株主構成や定款の内容など,意外な落とし穴があったりしますので,不安な場合は司法書士に相談されることをお薦めします。


定款の復元

定款を紛失してしまっていたり,長らく管理がされておらず現在の定款の内容が不明である,という会社も珍しくありません。
そのような場合は,現在の登記事項などできる限り現在の情報と矛盾しないよう復元し,株主総会の決議を経て復元していく必要があります。
定款の作成には広範囲な知識が必要となりますので,司法書士に相談されることをお薦めします。


株主名簿

会社の登記事項を変更するにあたり,株主総会の決議が必要になる場面がありますが,株主名簿を作成していないため現在の株主構成が不明であったり,相続が発生したまま未整理であったりするケースがあります。
事案によっては今後の会社運営に支障をきたす場合もございますので,不安な方は司法書士に相談されることをお薦めします。