「法人代表者に代わるべき者」の本人確認情報

資格者代理人による本人確認情報

不動産登記手続きにおいて,登記義務者である法人が,登記識別情報(登記済証)を提供すべき場合にもかかわらず提供できない場合,資格者代理人により法人の代表者等の本人確認情報を作成することで,登記識別情報等の提供に代えることができる制度(不登法23Ⅳ①,不登規則72)。

法人の本人確認は,法人代表者又は「これに代わるべき者」と面談して本人確認を行うこととされている(不登規則72Ⅰ①)。
しかし,「法人代表者に代わるべき者」について本人確認情報を作成する場合,どのように行うべきか具体的な方法について規定がないため,実務上の取扱いが問題となる。


(以下,「これに代わるべき者」は単に「確認相手」とする。)


業務権限証明書(代表者からの授権)

法人の不動産登記手続に関する権限が法人代表者から確認相手に与えられていることを確認する。
法人代表者が作成したものであれば,決まった様式などはない。
作成方法について法令等の根拠はないが,法人代表印を押印し,法人印鑑証明書にて印影を確認すべきとする取扱いが一般的。

(参考:鳥取地方法務局米子支局R5.12.8回答)
法人代表印及び印鑑証明書の添付を明確に求める根拠は見当たらないが,法人代表者に代わるべき者であることを確認するのであれば,印影の確認までは行っておくべきと考える。


登記申請時の添付方法

オンライン申請(特例方式)による場合。
①PDF添付のみでよいもの
・本人確認情報
・本人確認書類写し(確認相手)
⓶PDF添付に加え,原本を添付書類として提出すべきもの(※)
・業務権限証明書
・印鑑証明書
なお,⓶は原本還付可。
⓶の印鑑証明書については,会社法人等番号の提供により添付省略することが可能と思われるが,実際には法人から印鑑証明書の原本の交付を受けて印影の照合を行っている場合が通常であることから,原本を添付することになると思われる。
(※鳥取地方法務局米子支局R5.12.8回答による)