自筆(手書き)の遺言をみつけたらどうすればよいか?

Q:先月父が亡くなりました。遺品の整理をしていたら、父の筆跡で書かれた遺言書(自筆証書遺言)が見つかったのですが、どうしたらよいのでしょうか?

A:まずは家庭裁判所で検認を行う必要があります。検認が終わるまでは勝手に開封しないでください。遺言の内容を偽造・変造したり、遺言書を破棄したり他の相続人に隠したりしてはいけません。また、遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者に連絡して相談しましょう。

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遺言には、ご本人の手書きによる自筆証書遺言や、公証役場で作成する公正証書遺言などいくつか種類があります。

公正証書遺言は、検認の手続きを経る必要はなく、そのまま遺言を執行する(=相続手続に使用する)ことができます。

他方、自筆証書遺言は、遺言の保管者が相続の開始を知った後、遅滞なく、家庭裁判所で検認をしなければならないとされ(民法1004条)、検認をせずに遺言を執行したり、遺言を開封した場合は、5万円以下の過料に処せられる(民法1005条)とされています。

ちなみに、検認は、あくまで遺言書の形状や状態などを証拠として保全する手続きであり、有効無効の判断をするものではありません。
遺言の内容に関しては、専門家に相談して、法的な解釈や手続について説明を受けてください。

なお、遺言書を偽造・変造したり、勝手に破棄したり隠してしまったりすると、相続人の欠格事由(民法891)に該当し、相続人の資格を失ってしまいかねませんのでご注意ください。

(結論)
自筆の遺言を見つけた時は…
・開封せずに検認する。
・偽造、変造しない。
・破棄、隠匿しない。
・遺言執行者に連絡する。