代位登記の登記済証について

旧不動産登記法下では、代位により所有権移転登記がなされた場合でも、代位者に登記済証が発行されていたが、被代位者(登記名義人)が後日申請する権利に関する登記の登記済証として使用できるか?

 原則

使用できない(登記研究122号33頁)。

  • 理由:「当該登記済証の所持者が登記義務者であることが認識しえないから」。
  • 代位の場合は、登記名義人が当該登記済証を所持しているとは限らない、という意味。


例外

土地改良区が代位者として所有権保存登記又は相続による所有権移転登記を申請した場合に発行された登記済証であれば、登記済証として使用できる(昭和34年4月2日民事甲第575号民事局長通達)。

  • 理由:この場合は、土地改良区は登記済証を登記名義人(被代位者)に遅滞なく交付しなければならない(土地改良登記令3条2項)とされているため。


登記識別情報の場合

そもそも登記識別情報は代位者には通知されない(不動産登記法21条)。